「さくら功労者」のページです。

さくらの保護・育成を振興するため、(公財)日本さくらの会では、さくらに関わる著しい功績がある団体・個人を「さくら功労者」として毎年表彰しており、当会では道・市町村を通じ、道内からの候補者を選定し推薦しています。

■令和6年度 さくらの功労者が決定しました。

令和6年度は、次の個人と団体を推薦し表彰が決定されました。

〇 竹田 勝治 (松前郡松前町・個人)
竹田氏は、役場を退職した平成15年から令和4年までの20年間、松前公園の4~5年で腐朽し更新が必要な古くなった桜の樹名札を、毎年500枚~600枚のペースで自ら作製し、交換するボランティア活動を実施し、多品種で構成された松前公園の桜の認識や美観向上など、松前観光の中心でもある桜の魅力を支える重要な役割となっており、観光客はもとより、桜愛好家や研究者などにも大変感謝されている活動です。さらに平成23年から卒業記念として、町内小学校6年生を対象に、樹名札作製指導を町内3校で実施、児童が作製した樹名札も公園内の樹名札交換に使用し、地元の桜への親しみや郷土愛形成の一助になっております。
例年4月末から5月中旬まで開催の「松前さくらまつり」の期間は、松前公園内の清掃活動を先導となり実践し、ボランティア活動の普及や実践にも熱心に取り組むほか、地元団体の「松前花の会」の一員として、松前公園の多品種な桜の保全活動等にも積極的に参加しております。また、豊富な知識で、桜の紹介やマスコミ取材等にも柔軟に対応して頂くなど、松前町においても多大な貢献をいただいております。

〇 濱木 義雅(釧路市・個人)
濱木氏は昭和62年~平成元年(3年間)及び平成24年~令和4年(11 年間)にわたり「緑いっぱい市民運動」世話人会会長を務め、桜の保護・育成や普及啓発などに積極的に取り組む等、代表として会の運営に携わり市民運動の活性化に取り組んでまいりました。特に同会会長就任時には、濱木氏の発案者により市内地域ごとにサクラ守6団体の設立や継続的な外部講師による講演会、自主講座の開催など「櫻学」を通して会員や市民に緑化活動の推進に尽力されました。
(主な内容)
・市内の三大桜の認定
・桜のリーフレット「くしろ桜物語」1章~3章 発行
・八重の聖地づくり事業「桜援プロジェクト」推進
・釧路独自の桜園芸品種の認定(公財 日本花の会)
また、東日本大震災後の「福島県相馬に桜を贈る会」の設立にも中心的な立場で関わり、代表として、釧路市民の有志を募り賛同者が釧路管内で育てたエゾヤマザクラを2012年11月に780本を相馬市に贈るなど、さくらの保護育成等に活動にも取り組んできました。

〇 株式会社 手塚組(浦河郡浦河町・団体)
株式会社手塚組(以下、手塚組)は、日高・胆振管内において、地方公共団体等の公共事業や民間からの工事を受注して施工及び管理を行い、地域発展のために努力している企業です。
手塚組は、社会(地域)貢献活動を通じて環境への取組も含めた地域とのコミュニケーションや子供たちとのふれあいを大切にしていくことを目的に、平成23年(2011年)よりアーコレード等の桜の植樹活動を実施しており、毎年地域の子ども達と共に植樹や苗木の育樹が行われ、13年間の活動で植樹本数は160本を超え、今後も引き続き継続されていく予定です。
また、桜の植樹は、浦河町西舎優駿の里公園内やAERU入口門で行われており、町民や道内・道外の観光客が桜の木を目にする機会も増え、近隣にある優駿さくらロードや日本中央競馬会関連施設との相乗効果を生み出し、手塚組の継続した活動が地域の魅力発信に寄与しています。



■過去の受賞者リスト(道内分)

(受賞者の詳細)

年   度 受 賞 者 名 ( 団 体 ・ 個 人 )
令和6年度 竹田 勝治(松前町)
濱木 義雅(釧路市)
株式会社 手塚組(浦河郡浦河町)
令和5年度 館野 保(厚岸町)
令和4年度 西興部村
西興部村商工会青年部
令和3年度 帯広市
栗林建設株式会社
令和2年度 由仁町
由 仁町を日本一桜のまちにする会
平成31年度 留萌市
 特定非営利活動法人 長万部町緑と樹を愛する会
平成30年度 紋別漁業協同組合女性部(紋別市)
北川 聖治(松前町)
平成29年度 丸一山花と緑の会(上富良野町)
石郷 勝政(厚岸町)
平成28年度 岡部 誠二(深川市)
屈斜路長寿会(弟子屈町)
平成27年度 札幌商工会議所(札幌市)
平成26年度 小田原 喜代吉(下川町)
平成25年度 空知地区指導林家連絡協議会(岩見沢市)
平成24年度 菅原 公司(枝幸郡中頓別町)
金田 正弘(苫小牧市)
平成23年度 しずないさくらの会(新ひだか町)
室蘭測量山桜ロード実行委員会(室蘭市)
平成22年度 「民安ダムサクラの森づくり」の会(天塩町)
平成21年度 はまなかチェリープラン21(浜中町)
土田 隆(礼文町)
平成19年度 新川地区緑化推進協議会(新川連合町内会)(札幌市)
原口桜松街道を創る会(松前町)
平成15年度 嶋宮 勤(札幌市)
平成14年度 初山別村(苫前郡)
平成13年度 上磯町樹林保存会(上磯町)
平成12年度 知床花木愛郷会(斜里町)
平成 7年度 「30周年記念」 舟生格次郎(網走市)
平成 5年度 厚岸桜の木保存会(厚岸町)、舟生格次郎(網走市)
昭和62年度 二十間道路桜並木保存会(静内町)
昭和59年度 母恋軟式野球連盟(室蘭市)
昭和58年度 千島桜保存会(根室市)
昭和57年度 稲澤六郎(釧路市)、松前花の会(松前町)、三島義堅(函館市)、佐々木勝十四(夕張市)
昭和56年度 木田研太郎(松前町)
昭和55年度 松前町桜保存子供会(松前郡)、長谷川政友(札幌市)
昭和54年度 水上武男(室蘭市)、舟迫元勝(伊達市)、佐々木昌太郎(遠軽町)
昭和53年度 田村直美(網走市)、志村藤平(士別市)、田島徳弥(士別市)
昭和52年度 岩田實道(中富良野町)
昭和51年度 伊藤広造(室蘭市)、石山善太郎(松前町)
昭和48年度 寿原外吉(小樽市)、真壁智空(釧路市)
昭和47年度 阿部豊子(えりも町)、松井正亀(羽幌町)
昭和44年度 浅利政俊(七飯町)
昭和43年度 鎌倉兼助(松前町)

受賞者詳細

令和5年度は、次の個人を推薦し表彰が決定されました。

館野 保 (厚岸郡厚岸町・個人)

館野 保氏は、厚岸町の貴重な財産である桜を次代に引き継ぐため、町内の桜の保護・育成、町民や団体への植樹指導・苗木提供などに取り組む「厚岸桜の木保存会」に所属しており、平成5年から平成17年までは会長職を13年間勤めた。これまで小野日公園はじめ、町内の公共施設周辺への桜の苗木植栽や、育てきれなくなった民家の桜を公園に移植するなど、長年にわたる多くの活動実績に加え、現在も毎年積極的に会活動に参加している。

特に、平成5年に「厚岸桜の木保存会」として『さくら功労者』表彰を受賞した際に、贈呈された八重桜「普賢象」の苗木を会員有志とともに、厳冬の道東地域にある小野日公園苗畑で冬囲を設けて養生し、今では開花期に数千もの花を咲かせる見事な銘木に育てた。

現在、厚岸町の観光スポットとして北海道内から多くの人が観桜に訪れている。

※団体推薦は該当ありませんでした。


●令和4年度●

西興部村商工会青年部(以下、商工青年部という。)は、西興部村商工会の部会として昭和44年(1969年)に設立された団体で、現在は13名で活動しています。

商工青年部は、地域との「絆」の再認識と地域への感謝、そして、今後もその「絆」を強化していくことを目的に、平成17年(2005年)よりエゾヤマザクラの植樹活動を実施しています。

地域との「絆」を表現するサクラは毎年3本ずつ植樹されており、昨年までの17年間の活動で植樹本数は50本を超え、今後も引き続き継続していく予定です。サクラの植樹は、西興部神社の参道沿いとホテル森夢近くの「夢邑森のガーデン」で行われており、村民や観光客がサクラの木を目にする機会も増えるなど、商工青年部の継続した活動が実を結んでいます。

また、西興部村の一大イベントである「むら興しまつり」の実行委員として企画・運営に携わるとともに、「氷のンネル1日開放」「森のビアガーデン」「盆踊り」などの行事を主催するなど、西興部村の地域振興に中心的な役割も果たしています。

こうした地域振興事業として長年継続しているサクラの植樹活動は、他の模範となるものです。


●令和3年度●

帯広市

栗林建設株式会社は、1920年(大正9年)に北海道帯広市で創業し、本年で創業101年を迎える地域に根ざした企業であり、地域活動として2010年(平成22年)から、帯広市内の八千代公共育成牧場(所有:帯広市)において桜の植樹を始め、牧歌的な農村風景の中に桜による彩りを創造し、良好な景観づくりに取り組んでいます。

帯広市の八千代公共育成牧場は、宿泊施設やソーセージ作り体験等ができる施設を併設し、観光牧場的な機能を有しています。

栗林建設株式会社が10年(2018年までは秋に植樹、2019年は植樹を見送り2020年春に植樹)にわたって桜の植樹に取り組んできたことにより、これまで延べ870本もの桜が植えられ、桜並木が整備されてきており、近い将来、帯広市における桜の名所となることが期待されています。

また、同社は、帯広市内のみならず十勝管内の町村においても、道路の清掃や花壇整備、除雪ボランティアなどの奉仕活動を積極的に行うなど地域の模範となる企業であり、同社の桜の植樹を始めとした弛まぬ善行活動に影響を受け、近年、帯広市内の公共用地に桜の植樹を希望する者が現れるなどしており、日本人が特別な思いを寄せる桜の普及に関し、多大な貢献をしているものであります。

※個人推薦は該当ありませんでした。


●令和2年度●

由仁町

由仁町を日本一桜のまちにする会(由仁町・団体)

当会は、平成22年に桜の苗木500本の寄贈を受け、由仁町郊外の体験農園周辺で第1回植樹祭を開催し、その後場所を変え、毎年約100本の植樹活動を継続し、現在まで1,000本余りの桜の管理、育成を積極的に実施している。

毎年1回、会報「桜よ。」を由仁町全戸に配布するほか、平成27年からは、「新生児記念植樹」を開催し、町内で出生した新生児に桜の苗木や陶製ネームプレートを贈呈、新生児家族で記念植樹をするなど、地域と密接な関係を構築している事に加え、毎年、顧問の樹木医による現地指導及び講演会を開催し、桜の関心を高める活動も積極的に実施している。また、毎年雪折れや獣害等により、年間100本程度の補植を実施するなど、維持管理にも積極的に力を注いでいる。

このような活動が流布され、町内のみならず、町外及び道外から共感した90名余りが会員登録するなど、地域に根ざした積極的な活動は、町民をはじめ多くの方々から高い評価を受けており、これらの功績は極めて顕著で、高く評価されるものであり、他の模範とするところです。

※個人推薦は該当ありませんでした。


●平成31年度●

留萌市

留萌市では、昭和56年に神居岩公園に「桜の森」を造成して以来、サクラの植樹が行われており、平成12年には道北一のサクラの名所を目指して、市民参加のもと市民の手によるサクラの植樹・育樹が行われ、これまでの37年の間、継続的にサクラの保護・育成が行われています。
また、これまでにサクラの植樹・育樹に参加した市民は700名を超えており、市と市民との協働によるサクラの保護・育成活動は、当地域で確実に定着しています。
これら長年にわたり取り組まれてきたサクラの保護・育成活動により、現在の神居岩公園では、道北地区で珍しいヤエザクラを見ることができ、花見の時期になると近隣市町村や管外からも多くの花見客が訪れるようになるなど、道北地区でのサクラの名所の一つになっています。
このように、留萌市と市民との協働によるサクラの保護・育成活動は、地域に根ざした活動として延々と継続されサクラを愛でる地域住民が拡大するなど、サクラの振興に多大な貢献があったものと評価され受賞しました。

特定非営利活動法人 長万部町緑と樹を愛する会

特定非営利活動法人 長万部町緑と樹を愛する会は、植樹等の緑化活動を通して地域の環境保全やまちづくりに寄与する目的で平成元年に設立され、平成13年8月24日に特定非営利活動法人として認定を受けました。
設立以来毎年4月29日(旧みどりの日)に開催されている植樹祭は、緑化活動の意識を高めるために広く町民を集めて実施されており、春のイベントとして定着し、毎年、町民(親子連れを含む)を中心に約150名が参加しています。
平成21年からは町民が花を楽しむことができるように樹種をエゾヤマザクラに変えて、以降エゾヤマザクラを毎年約100本ずつ、延べ2,000本以上のエゾヤマザクラを公園や町道沿いの町有地へ段階的に植樹し整備しています。
以上のような一連の活動が、町民と協同で植えて育てたサクラの花を愛でる文化の普及啓発に大きく貢献していることが評価され受賞しました。

●平成30年度●

紋別漁業協同組合女性部(紋別市)

昭和38年度から、奉仕活動の一環として紋別山(通称:大山)を桜でうめ尽くした公園にしようと植樹活動を開始し、昭和49年には市内の小学校で植樹活動を行いました。
その後、森林公園や大山市有林においてもウメ等の植樹活動を続けていましたが、平成8年度から漁業協同組合女性部・青年部、林業関係者等が力を併せて「オホ-ツク魚の市民植樹祭」を開始しました。現在、この植樹祭は一般市民と林業関係者を巻き込んだ春の風物詩的イベントとして定着し、針葉樹、広葉樹を合わせて約12,700本植樹したほか、約180本の桜も植え市民の目を楽しませています。
こうした植樹活動は、道漁婦連役員会が「おさかな殖やす全道一斉植樹活動」を決定する昭和62年よりもさらに早くから行われているもので、さらに、その植樹活動は、桜の花を咲かせ、市民や子ども達、子孫達の代まで楽しめる憩いの場をつくりたいというのがきっかけであり、それが半世紀以上も続けられてきた点、また植樹祭が地域の恒例行事にまでなっている点など、紋別漁業協同組合女性部の活動は、功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

北川 聖治(松前町)

氏は平成8年から現在まで、桜の保全・管理・啓蒙活動に積極的に取り組み、松前町を訪れる観光客に桜の魅力を紹介する観光ボランティアガイドを行っているほか、観光案内看板の制作と設置作業をはじめ、環境美化にも熱心に取り組むなど地域住民の模範となっています。
桜の啓蒙活動では、桜の保存と育成に関する「さくらの里づくり講習会」を開催するとともに、小学校の総合的学習の時間、官庁新任研修、役場職員の出前講座にも足を運び、桜に関する知識の普及と桜を愛でる花守の育成・啓蒙活動に取り組んでいます。また、さくらまつり期間中の桜資料館では、入館者や観光客に桜の開花状況や特徴、魅力等の説明を熱心に取り組んでいます。さらに児童・生徒による観光ボランティアの育成、松前ガイド協会の指導、松前公園高台ゾーンガイド倶楽部の発足に尽力するなど、将来の観光地域づくりの担い手の育成にも取り組んでいます。ほかにもNHK函館放送局情報員として、桜の開花情報など松前の魅力を全国に発信することにも力を注ぎ松前観光のPRも担っています。
これらの活動により、松前公園を初めとする松前町の桜の魅力が全道はもとより全国の観光客に広がりみせており、その活動は高く評価されることから、その功績は極めて顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成29年度●

丸一山花と緑の会(上富良野町)

かつてはさくらの名所だった上富良野町の丸一山はゴミの投棄で大変荒れた状況となっていましたが、美しいさくらの名所として復活させ町民の憩いの場になるとともに、行き交う旅行者にも美しい景色を楽しんでもらいたいとの願いから、平成17年に当団体を設立し、地域住民と協働して植樹活動を開始しました。
苗や資材の購入には北海道山林種苗協会青年部の緑化活動支援事業など各種助成金を活用し、北海道立総合研究機構林業試験場からは植栽樹種の選定、森林植生の保存等の技術的な支援を受けながら、新しい品種の植栽にも取り組んでいます。
また、地域住民に愛着を深めてもらおうとツルを使ったリース作り、樹名板取り付けやキノコのホダ木造りなど、丸一山に足を運んでもらえるような取組も併せて行ってきました。
当団体は、長きにわたり緑化の推進・指導、森林の保全、環境教育などの活動に尽力され、その功績は顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

石郷 勝政(厚岸町)

氏は平成元年に厚岸町の嘱託職員に就任以来、厚岸町の観光名所で道東有数の桜の名所でもある子野日(ねのひ)公園の桜の保護・育成に尽力してきました。
子野日公園の臨時管理人に就任した平成13年からは「厚岸桜の木保存会」に所属し、桜は次代に引き継ぐ貴重な財産との考えのもとに、町内の桜の保護・育成、新種の研究、町民や団体への植栽指導・苗木提供に取り組んでいます。
同氏の長年に渡る活動は、子野日公園を始めとする厚岸町内の桜の保護や育成に大きく貢献しており、その功績は極めて顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成28年度●

屈斜路長寿会(弟子屈町)

昭和53年に会を設立し、昭和55年より数度に渡り屈斜路地域のサクラの名木付近にあったサクラの苗木を国道243号線から和琴半島に続く町道沿いに移植し、その後36年間もの長きにわたり歴代会員が愛情を込めて、屈斜路自治会と協力・連携して維持・管理・補植等の諸活動を行ってきました。
現在では立派な桜並木となり地域住民や観光客の目を楽しませてくれていることは、長年の努力の賜物であり、地域のさくら愛護の精神は特筆すべき内容であり、また、大きく育ったさくらの維持管理は、地域の若手自治会員の協力を得ながら行われることにより、さくらを通じた世代間の連携・融合にも寄与しています。
こうした活動は、功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

岡部 誠二(深川市)

氏は高校卒業後、農業を営む傍ら森林を所有し林業経営に乗り出し、その後、緑化木組合を立ち上げ、種から木々を育てる「実生」に取り組みました。その面白さに魅了された氏は、数々の木々の中で多くの人々に愛されるさくらを実生で育ててみようと独学で育苗を始めました。また同じ頃、多くの市民に「深川の街をみどりでいっぱいにしよう」と呼びかけ、昭和60年に「深川市を緑にする会」を設立し、会長・名誉会長として30年の永きにわたり会の活動の先頭に立とともに、実生のさくらの苗木を公園に植樹したり、市民植樹祭の苗木として提供するなど、数多くの活動に尽力してきました。
平成14年からは市内の小学3年生を対象に種子採取・播種から始まり3年間育苗したさくらを、卒業記念に植樹する活動を実施し、この活動は市内だけに留まらず、空知管内、北海道全域に現在も広がりを見せています。
さらに実生は「ソメイヨシノ」でも実践され、1m未満の低木の状態で5年程度で開花に至る突然変異で生じたさくらを育てるなど、希少な苗木は年間30本ほど各地の公園やスキー場跡地などに植樹され、これまでに1000本近くが植樹されています。
このように氏のさくらの育苗を通じた緑化思想の普及や森林づくりの推進などに果たす役割は極めて大きく、これらの活動は功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成27年度●

札幌商工会議所(札幌市)

「小金湯さくらの森」は、札幌市南区小金湯の農業センター跡地を活用し、園内に11種類、約800本の桜を植栽し、平成28年度の開園に向けて札幌市が造成を進めている都市緑地です。
跡地利用について近隣地域住民と検討を重ねる中で、平成19年に札幌商工会議所が桜の名所づくりを提唱し、札幌市と連携・協力を目的とした「小金湯さくらの森」に関する協定を締結し、桜に特化した公園づくりが始まりました。
この取り組みを推進するにあたり、札幌商工会議所が展開した桜の苗木代を集める募金は、当初目標額の1,000万円を超えて2,200万円以上となり、苗木の調達だけでなく、開園後の桜の維持管理、環境教育、公園の美化などに活用される予定となっています。この札幌商工会議所の活動は、札幌に新たな桜の名所誕生を望む多くの人々の想いを、公園づくりの場に届けた功績があります。
また、平成24年度から26年度の間、札幌商工会議所、地域住民や寄付者等の関係者が造成中の公園予定地に集い、毎年継続的に桜を植樹し、小金湯の桜の森づくりに寄与してきたところです。
札幌商工会議所の提案が契機となり、募金活動を推進、植樹活動にも取り組むなど、北国に春を告げる桜の名所づくりに大きく貢献した事から、こうした活動は功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成26年度●

小田原 喜代吉(下川町)

氏は平成3年に静岡県浜松市から妻の故郷である下川町一の橋に移住したのをきっかけに、桜の植栽に尽力してきました。始めは一の橋地区の道路沿いや町内温泉施設などに苗木を植え、景観づくりに努めてきましたが、次第に夢が大きくなり、平成17年9月からは、一の橋コミュニティセンター周辺の町有地を自ら借り上げ「趣味の公園」という看板を立てて「千本桜」を目指して富士桜の苗木を植えてきました。
一本目の富士桜は、浜松町から取り寄せた小さな苗木を植えることから始まり、やがてその一本から苗木を増やし続けるとともに、この取り組みに賛同する仲間も10人ほど集まり、ようやく目標の千本の植栽をこのたび達成したところです。植栽に適する春には、雨の日も毎日コツコツと植栽を続け「はなさかジイサン」と地域住民から呼ばれ親しまれてきました。
また、千本の桜を植えるに当たっては北海道や下川町などの助成を一切受けることなく、自らの力と資金で植栽を行ってきました。同氏の夢は、いつの日か一の橋地区を桜の名所にして、人々が集まり賑わいを生むことで地域活性化に寄与することであるようです。
こうした氏の活動は、功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成25年度●

空知地区指導林家連絡協議会(岩見沢市)

空知地区指導林家連絡協議会は、平成13年の設立以来、森林施業技術の向上と普及、林業後継者等の育成指導を主目的に様々な活動を展開してきました。
特に、平成14年から実施している小学校児童を対象とした緑化思想普及啓発事業は、小学3年生の時にサクラの種子採取・播種からスタートし、その後3年間育苗し、卒業時に記念植樹を行うという一連の作業を通じて、自然や生命に対する関心を高め緑の大切さを学習してもらうことを目的に、児童や学校関係者から高い評価を得ています。
こうした活動は、功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成24年度●

菅原 公司(枝幸郡中頓別町)

氏は平成4年度に中頓別小学校入学児童の家族を対象に記念植樹の呼びかけを行い、賛同者で「桜花基金」を設立、小学校グラウンド横の敷地を一人で整備し、同年10月に基金で購入したエゾヤマザクラ25本の植樹を小学校児童144名による記念植樹として実施しました。
植樹後は樹木の管理を自ら引き受け、基金が不足していたため自己資金により下刈り・剪定、冬囲い、害虫駆除を毎年家族と共に実施してきました。
平成11年頃から若干の花が咲くものの、一向に増えていかない状況から、平成18・19年に樹木医に診断してもらい指導を受け、土壌改良、病気の治療を行うなど、現在も育樹活動を続けています。
中頓別小学校開校100周年にあたる平成21年には、こうした努力が実り、育樹していた全ての桜が満開となり、小学校の環境改善に寄与していることはもとより、地域住民の方々の花見に利用されるようになっています。
こうした氏の活動は、功績が顕著であり他の模範となることから、評価され受賞しました。

金田 正弘(苫小牧市)

氏は、平成13年に樹木医の資格を取得、造園業の社員と樹木医を掛け持ちして従事していましたが、道内の桜が病虫害等に冒され治療を必要とする木のあまりの多さに驚愕と危機感をいだき、平成16年、一念発起し、桜専門の樹木医に専念することを決意されました。
いつも「桜が満開になれば自然と笑顔になるでしょ・・・。」と、さりげなく語りながら、地元苫小牧市内小学校のエゾヤマザクラの治療や、植物の大切さを啓蒙する「いのちの授業」などに精力的に取り組んでいます。
一方、離島の利尻富士町での防虫害防除指導や、根室管内別海町では小学校に育成している樹齢100年超のチシマザクラの”往診”といった、全道各地にも出向き、炭や水ゴケなど自然を生かした病虫害治療や地域に密着した植樹指導に取り組んでいます。
平成22年度からは、えりも町の「庶野さくら保存会」と協働して、庶野さくら公園に生育する推定樹齢300年の「夫婦(めおと)桜」の不定根を活かした樹勢回復といった手間の要する特殊な治療法を行うとともに、地元に管理ノウハウを定着させるため、会員に対する追肥や土壌改良といった技術講習を実施しました。また、この治療作業中にもかかわらず、近隣の様似町の自治会からの桜植樹技術指導を快く引き受け、さらに苗木や土壌改良等の資材を提供するなど、誠意ある対応が住民から大いに感謝されました。
平成23年度には、浦河町から依頼を受け、樹齢80年の桜約3000本が3kmにわたりトンネルを形成する「優駿さくらロード」並木道の保存再生のための調査診断行うとともに、地元企業や商工会議所が行う桜植樹活動への苗木提供や植樹・育成管理等の技術指導、さらに地元小学生を対象とした「緑の学校」における”土づくり”や”先人が残してくれた桜並木を守り育てていく”ことの大切さを指導するなど、桜を通じた環境教育や人材育成にも積極的に努めています。
このほか、北海道のグリーンコーディネーターとして、道内の緑化活動団体や学校などが実施する桜の樹勢回復、公開治療など道民参加によるみどりづくりといった普及啓発にも貢献されています。
こうした地域に密着した地道な活動により、道内各地の桜が残り、その桜を守る地元住民が育っているなど、その功績が顕著であり、他の模範となることが評価され受賞しました。

●平成23年度●

しずないさくらの会(新ひだか町)

当会は、平成11年に設立され、静内の観光資源の保護、育成及び開発の支援活動を通じて、桜のまちづくりの推進に寄与しています。これまで、先人が残してくれた重要な文化観光遺産である「二十間道路桜並木」を守り、育て、次世代へ引き継ぐため、桜並木の維持管理作業をはじめ、後継木の苗木圃場の確保、優良母樹の種子採取、苗木の育成・管理など、時間と手間のかかる作業に取り組んできました。
毎年5月に開催され全国から約20万人が訪れる「しずない桜まつり」では、地元の道立静内農業高校の協力により、「私達で桜を守りたい」という思いのもと、さくら基金の募金を行い、これまで1千3百万円を町に寄付し、桜並木の維持に役立てています。
また、平成17年から中心市街地の空洞化対策として、JR静内駅前や町内の公園に「関山」、「八重紅枝垂」、「大島桜」など約540本の桜を植栽するとともに、天狗巣病や桜コブ病にかかっている病木の枝木剪定作業も行っています。
平成22年には、桜並木の清掃活動を手伝ってくれている静内農業高校に「希望の桜」として八重紅枝垂と記念プレートを寄贈したほか、桜にちなんだ講演会の開催や町内にある桜の「名木」を探し出し「名木」として指定後プレート板を設置するなど、町民に桜の存在を広く普及させて、桜のまちづくりの醸成に貢献しました。
こうした地域独自の特性を活かした草の根的な活動は、他の地域の模範となることから、評価され受賞しました。

室蘭測量山桜ロード実行委員会(室蘭市)

当会は、室蘭のシンボルである測量山を桜の山・桜の名所にすることをめざして、平成13年に室蘭市に在住する昭和生まれの自営業者による「室蘭昭和会」が主体となり、設立されました。以来、「子供達に自然を通して郷土を愛する心を」「測量山に自然豊かな憩いの場を創ろう」という思いもと、植樹者を市民から募って、市民とともに汗しながら桜の植樹を続けており、これまで唐松平や観光道路沿いに植樹した桜は300本を超え、郷土の発展に寄与しています。植樹した観光道路は、現在では「測量山桜ロード」と呼ばれ、散策を楽しむ市民が増えており、桜を愛護する気持ちを地域に波及させました。
また、同会では、桜の順調な生育を願って下草刈りや肥料の散布、虫害・病害の駆除、病木の伐採、補木などの維持管理活動を年4~5回実施しているほか、桜への興味や愛着をより持ってもらおうと「育成の集い」を開催して、植樹した人にも年1回は木を見てもらう交流の場を提供するなど、地域の活性化にも貢献しています。
こうした活動は、功績が顕著であり他の地域の模範になることから、評価され受賞しました。

●平成22年度●

「民安ダムサクラの森づくり」の会(天塩町)

道北地方の日本海沿岸は、季節風や浜風が強い気象条件のため、桜の群生をなかなか見ることができないことから、「民安ダム」周辺に「サクラの森」を造り、町民に憩いの場を提供しようと、平成11年に本会が発足しました。以来、毎年5月に植樹を続けてきており、これまでに植栽した桜の本数は1,500本を超え、下草刈りや野ネズミ駆除などの保育活動も行いながら、大切に育てています。
植樹活動には、会員や関係団体のほか、平成14年から総合的な学習の時間のなかで町内の中学生も参加しており、自然環境保全の学習の場ともなっています。近年では、中学生から高齢者まで幅広い人達が植樹に参加し、参加者は100名を超え、留萠管内において最も積極的な桜の植樹活動が展開されています。
今では、故郷の良さを再認識させる情熱を持った活動が実を結び、美しいサクラの森が形成され、自然と共生する緑豊かな天塩町のシンボルとなっています。
こうした活動は、他の地域の模範になることから、評価され受賞しました。

●平成21年度●

土田 隆(礼文町)

氏は昭和40年頃から本州方面へ出稼ぎに行くようになった際、名古屋城の桜に魅せられ、以後、毎年出稼ぎの度に桜の苗木を購入して礼文島へ持ち帰り、40年以上にわたり自己の山林に植栽してきました。笹地で覆われたあら地を自分の手でコツコツと耕し、現在、約2haの土地にチシマザクラ、エゾヤマザクラ等300本程度が生育し、立派に成長しています。
植栽当初は、ヤエザクラやソメイヨシノを植栽しましたが、冬の寒さで苗木が枯れたり、野ネズミの被害で大多数が枯れるなど、試行錯誤の連続でありました。そこで、苗木を寒さに強いエゾヤマザクラやチシマザクラに替え、施肥を工夫することで根を強くし、すのこを巻くなどして野ネズミから守り、厳しい寒さに負けない桜を育てあげました。
日本最北限の春の訪れを楽しみに、島内をはじめ近年では、日本で一番遅い桜の花見を楽しめる島の観光名所にもなっています。漁業に従事しながら、現在も奥さんと二人で手入れを行い、見物に来る人に説明しながら毎日を暮らすのが日課になっています。昭和58年からは、町主催の植樹活動にも進んで参加され、町民に育林指導を行うなど、習得・研鑽した技術を伝え、地域の桜の育成に貢献しています。
こうした活動は、功績が顕著であり他の地域の模範となることから、評価され受賞しました。

はまなかチェリープラン21(浜中町)

浜中町には、かって近隣の市町村でも桜の名所として知られていた公園がありましたが、桜が老朽化してきたことから、市街地に新たな桜の名所を造るとともに、桜並木で町を包み、「町民の歌(浜中音頭)」にも歌われている桜いっぱいの地域復活をめざすことを目的として、本団体は昭和60年に設立されました。以来、桜の名所を復活させるべく、市街隣接地の町有地1.5haを借り受け、植樹を行い、桜公園を整備。また、町道沿線の街路樹にも植樹し、現在まで約1,700本の桜を植樹しています。
整備した桜公園は、「はまなか桜公園」と命名されており、平成9年から団体主催の「はまなか桜まつり」を開催、平成17年からは観光協会主催に移行するなど、地域住民や観光客に楽しんでもらうイベントに発展しています。
活動は、植樹の他にも、草刈り、施肥、シカ被害防護ネットの補修などの保育活動や公園内の清掃・歩道の補修などを行っており、町内の自治会や地元小中学校などの協力を得ながら、行っています。こうした協力者は、近年増え続けており、24年間桜の名所を取り戻すために行ってきた活動が地域的な取り組みに発展しています。また、これらの活動により、町内では各家庭の庭に桜を植樹したり、桜公園の散策を楽しむ人が増えてきており、桜を愛護する気持ちが地域に根付きつつあります。
こうした活動は、功績が顕著であり他の地域の模範となることから、評価され受賞しました。

●平成19年度●

新川地区緑化推進協議会(新川連合町内会)(札幌市北区)

昭和51年に老人クラブ福寿会が桜の苗木10本を新川沿いに植樹したのが始まりで、昭和62年に新川堤防有効利用として桜並木の計画を検討、平成元年に新川地区緑化推進協議会が発足されました。
その後、平成10年から3カ年で桜を植樹し、武蔵女子短期大学前から新川中央橋までの7.5km間の桜並木を造成しています。
会の活動としては、「新川さくらフェスティバル」や、さくら並木周辺の清掃活動である「さくら並木クリーンウオーキング」、「新川さくら記念合唱祭」などを毎年開催しています。
こうした活動は、連合町内会が主体となり、地域住民と協賛企業、各種団体が協力して行われており、さくらの愛護・育成のため地域一体となった取り組みが他の地域の模範となることから、評価されました。

原口桜松街道を創る会(松前町)

当会は、地域住民を主体とした個性と表情豊かな地域づくりを進めるため、平成元年に設立されました。
国道228号線沿いに、「松(松前町の木)」と「桜(松前町の花)」を交互に植樹し、「桜松街道」と名付けた並木づくりの活動を行っています。
長年にわたり、下草刈りや支柱の立て替え、風雪害等の被害による補植なども実施しております。
また、並木づくり以外にも、地域の森林等を活用し、自然観察会や野外森林学習なども開催し、緑化思想の啓発普及に努め、地域に有する自然や歴史などの特徴を生かした地域づくりと郷土愛を育む取り組みを進めています。
こうした活動は、他の地域の模範となることから、評価されました。